高木あすかのちょこちょこブログ

漆芸作家 高木あすか が毎日更新するために作った自己紹介ブログです。ちょこちょこやります。

芸術と労働レポ①〜贈与的な関わり〜

「労働と芸術」で印象深かった事を端的にまとめていきます。

 

初めは知らない人に向けて、芸術家とそのサポートに回るマネージメントの人たちの現状をインタビューを通してまとめたものの説明がありました。

関係者の方は身に染みてお分かりのように、芸術家はそれ一本でやっていける人は本当に少なく、知名度がある人でも大学の教授や副業をしています。

マネージメントの人達も芸術祭などの期間限定の仕事や残業手当がなく、でも仕事は終わっていない。や、バイトや派遣のような扱いでキャリアにならなかったりとしています。

 

そんな儲からなくて、でも大変な事なのにやりたがる人は後を絶たないのは何故か?という話で興味深かったのは、白川さんの贈与的関わりが根本にあるのではないか。というお話でした。

これはフランスの社会学者、文化人類学者のマルセル・モースの贈与論に基づいた話で、最初に誰かに贈りたいという気持ちがあって、ものづくりが始まり、そこから金銭が発生していって商売の1つになった。という考え方です。

これを聞いた時、私はそれだけではないと感じましたが、1つの理由としてはなるほどでした。

誰かに気持ちを贈る形としてのモノがいわゆる文化的なモノづくりになっていった、という事です。