漆小話
金継ぎの続きしようと思ったんですけど、最近寒くてまだ乾いてなかったので、漆の小話をします。
知ってる人もいると思いますが、漆は28度〜30度の温度と65%〜80%の湿気で乾きます。
え?乾くのに湿気?てなりますよね?
実は漆は普通の絵の具のように水分が揮発して乾くのではなく、化学反応を起こして乾くんです。
水分がその化学反応を促進する役割を担っています。
ので、表面上乾いていても、中の組織は完全に固化した分子になっておらず、バラバラになっている組織と酸素がゆっくり手を繋いでゆき、完全に固化になります。これに約半年かかります。
手書き笑これがウルシオールの分子構造だ!
まあ内部の話だし、さらに強力になっていくって話なので、1、2週間で結構しっかりします。というか環境が整ってたら表面は1日で乾きます。
この乾くのに時間がかかるということが、スピード社会の現代ではネックだと思うのですが、逆に特徴的なので面白く表現できないかな〜とも思ってます。1つそれをテーマに作った作品もあるんですけどね。これはまた今度にしようかな。
でも納品ってなるとヌオ〜時間がない〜ってなるんですけどね…